1954年創業以来70年にわたり、杉坂建築事務所は世田谷で注文住宅をはじめさまざまな建物づくりに携わってきました。
私たちは、一棟一棟が伝統工法に造詣が深く同時に現代建築に精通した経験豊かな建築家によって設計し、自らの技能に誇りを持つ棟梁や大工が丁寧にかたちにして行きます。
これは、「家は住む家族の生活や建てる土地、環境に合わせて一棟づつ慎重に設計すべきである」という創業依頼の方針に基づくものです。
そして杉坂の家づくりは新築ばかりではありません。今取り組んでいるのは「壊さないで新築以上の価値を生む」ということです。
壊して新築するのは簡単ですが、これからの時代は既存の価値をより高めることも非常に重要と考えています。
古くなったら建て直すという今までの発想を見直し、素性のいい建物には手を掛けてより良く再生させることこそ、真に価値ある建築行為だと思うのです。
効率が重視される風潮の中、歴史を重ねて我々が実践してきた家づくりの姿勢は、省エネルギー住宅のキーワードとして近年語られている「パッシブデザイン」の源流にあると言えます。
そうした意味でも、住まいとしての普遍的な豊かさを実現し続けるため、いつでも伝統を敬い、その上に積み重ねる様な木造の家づくりを実践して行くことが不可欠であると考えています。
その土地の自然と共生し、健康的に、快適に、世代を超えて住み継がれていく日本の住宅をつくり続けるよう、努力して参ります。