五月晴れの日曜日に東京都美術館で開催されている日本画院展に
行ってきました。お施主様の絵が好きなので毎年この時期を
楽しみにしています。
行って見て驚いたのは 「生誕300年記念 若冲展」に並んでいる
長蛇の列。そして4時間待ちと聞いてさらにびっくり!
見てきた人に様子を聞くと館内も凄いことになっていると言ってました。
行列を横目に日本画院展へ! 受付で招待状を出し他の絵はサラッと
流しながらお施主様の絵まで直行!
タイトルは「同じ道でも」今回も期待に違わぬ繊細な筆使いと
ほのぼのとした動物への愛情が絵から滲みでています。
老夫婦が「この方の絵を毎年楽しみにしているの・・・」と私の脇で
会話しているのを聞いて、思わず「良いですよね!」と言ってしまいました。
作品の写真を添付できないのが残念です。
竣工から28年が経ち長いお付き合いになっています。O様からは
これまでにも多くのことを学ばせて頂いてきました。
何気ない会話の中で、気が付けば知識も増えお陰さまで話の幅が広がり
本当に有り難いことだと感謝しています。
これはO様だけに限ったことではありません。お施主様にはいろいろな
ご職業の方がいらっしゃいましたしご趣味も様々でした。
それもまた知らず知らずのうちに一流の講師による多彩な講座を受講して
いた様なものです。感謝してもしきれません!
◆
4時間待ちの大行列を抜けた広場では恒例になった
新潟県越後長岡、佐渡広域観光フェアが賑やかに開催されていました。
3年前に訪れた時と同じ場所で全国にその名を轟かせる「与板打刃物」の
コーナーがありました。
早速覗いてみると大工道具の中にひときわ大きな釿(ちょうな)が一丁
飾ってありました(非売品)
私は店の人に3年前と同じことを話しかけました。
「釿」を二丁持ってること、釿で名栗(なぐり)加工した梁や柱を仕事柄
目にする機会が多いこと、3年前に来た時非売品の釿が欲しかったこと、
その時日本で「釿」を作れる人は長岡にいる78歳の高木さん只一人に
なってしまったと聞いたことなどを一気に話す私に「この人だよ!」
ってニコニコしながら一緒に聞いていた人を指差したのです。
日本全国の形を知り両刃も片刃もあらゆる形状の釿を打てるのは
高木さんをおいて他には存在しないということです。
その切れ味はずば抜けていて著名な宮大工の棟梁も愛用していて
日本各地の神社における釿始めの儀式で奉納される釿を製作することで
知られる高木さん! 兎に角凄い職人さんなのです。
釿でなぐり仕上げをした松梁
ヴァイオリンの胴を削る様々な形状の小さなカンナやノミ、
植木バサミなども並んでいて、
受け継がれてきた職人の技術で作られたこれらの打刃物の人気は
日本だけに留まらず輸出も増えているとのことでした。
私は鍛冶屋さんの打った荒々しくも握りやすく、
試しに枝を切ってみるとゾクっとする切れ味の「切り出し小刀」を
購入し高木さんと記念撮影!
握手した手は意外にもゴツくはなく柔らかい手でありました。
三枝