いよいよ梅雨入りとなり雨樋の詰まりなどが気になる季節となりました。
雨樋は建物の保護には欠かせない重要な物だという事は分っているのですが、
せっかくの意匠を削ぐ物でもあり、取り付け位置には気を使います。
写真は御前崎の家の竪樋です。
此処に落ちて来る雨水の量は屋根の広さから
「鎖樋」の様な物では掃き切れません。
玄関前の雰囲気を壊さない為にはどうしたら良いのか考えた末、
塩ビ製の樋に孟宗竹を半割した物を被せシュロ縄で留める事にしました。
下は雨水升に接続させてあります。
青竹は直ぐに色が変わってしまいましたが
建物と植栽に違和感無く溶け込んでいると思います。
この建物の中でもお気に入りの一つです。
この方法を思い付いたのは以前日本画家のお施主様から、
大田区西馬込にある「川端龍子(りゅうし)記念館」に
行ってみたら…と言われ行った事がありました。
建物は全て龍子自身が設計したもので配置図をみると
建物は「タツノオトシゴ」の形をしてます。
建物のいろいろな所に竹材がふんだんに使用され、
門から玄関へとつづくアプローチと塀には太い孟宗竹を
豪快に使い迫力があります。
でも嫌味がありません!
その屋敷の何カ所かに竹の樋があり
写真に撮ってあったのを思い出したのが今回役に立ちました。
(三枝)