匝瑳市の古民家大改修から早いもので2年が経過。
弊社の規定により2年点検に監督と行ってきました。
長屋門をくぐると、雑木林の中の一軒家を訪ねた
ような気分です。広葉樹の木々や草花は家に馴染み、
初夏の空にキラキラと輝いていました。
改修前の家屋の裏手は、湿気の多いうっそうとした
森でしたが、整備した結果太陽光が地面にまで届き
地表には珍しい野生のランがあちこちに自生し、
椿は、今までで一番多く花を付けたそうです。
新しい通路は風の道にもなりました。
鳥たちは明るくて見通しの良いほうがかえって安心
するようで、飛来する鳥の種類も数も増えていると
奥様は仰っていました。
海にも近く、当日は気温が32℃を超えているにも
関わらず、屋内は涼しくて爽やかな風が部屋の中を
庭から森へと流れ、居心地の良さと楽しい会話が
長居をさせます。
夏はエアコン要らず(雨戸は開閉式の羽で風を取り込める)
冬は床暖と薪ストーブを少しだけ使用。
それだけで充分快適に過ごせたと、二年間の感想を
聞かせて下さいました。
それからご主人は、帰宅するまで雨戸を閉めないで
欲しいと奥様にお願いしているそうです。
長屋門から緩やかに曲がる小路の庭園灯が広葉樹や
草花を淡く照らし、木々の間から見える温かな灯り
に癒されながら歩いていると、あたかも高級旅館に
来ているかのように感じるのだそうです。
一旦立ち止まり、眺めてから玄関へ!
特に家の形がぼんやりと見える暮れなずむ頃が最高
だといいます。
お施主さまがこのように感じるのですから来客された
方々は尚更心が癒されたようで、
後日「もう少し居たかった。是非また伺いたい」
それから「どこに頼んだの?どうやって見つけたの?」
等、色々聞かれるんだと嬉しそうに仰っていました。
このようなお話しは私達にとってとても励みになります。
二階の書斎には月の光(満月の光は神秘的!)が差し込む
位置に天窓を設けました。
寝室はツリーハウスで寝起きしているような心地良さ
を味わえるようにと窓を大きくし天窓も付けました。
覗けるのは鳥と星とお月様だけ!
その窓から槇の木の洞(ほら)にフクロウが営巣している
のを観察!先日二羽のヒナが巣立ったそうです。
親フクロウが羽音もさせずに飛ぶのを目撃した奥様!
広げた翼は優に1mはあったそうです。
家の守り神とも幸運の象徴とも言われているフクロウ。
永くこの森に住みついて欲しいものです。
鳥が運んだ種から大樹に育った栴檀(せんだん)の薄紫
色の花が、家の周りに優しい香りを放っていました。
板橋区桜川の現場が着工しました。
三枝