冬らしい寒さが続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
年明け時期の暖かさを思い出すと、ますます寒さが身に染みてきます…
風邪をお引きにならないよう、お体にお気をつけ下さい。
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先日、52年程前に弊社で建てさせて頂いたお住まいの改修工事が始まりました。
お祖父様、お父様、お施主様と、三代に渡って住み継いで下さっておりましたが、
年月を経たことで外部・内部ともにメンテナンスが必要な部分が出てきてしまい、
改修を行わせて頂く事となりました。
こちらの建物の特徴として、合わせ梁工法が挙げられます。
合わせ梁工法は、一本の木を梁とする一般的な工法と違い、二枚の板で支木(かいぎ)を挟み
ボルト等で締め合わせたものを梁とする工法です。経済的であり、なおかつ建物にかかる負荷を軽減します。
また、ベランダや濡れ縁等の水はけを良くすることで木を長持ちさせるといった効果があります。
後に弊社で規格化される「虹梁(こうりょう)」という住宅の
先駆けとなる構造のお住まいだということを知りびっくり!
大きな驚きとともに、まずは現地調査へお伺いしました。
まずは外装からです。
全体的に経年劣化は見られましたが、大きな破損などは特に確認できませんでした。
ですが、外壁の板張りの劣化が目立っていたため、外壁をサイディング張りに変更に。
また、木部の一部に破損が見られたので、修繕・再塗装も行うことになりました。
木部を残すことで、外壁を変更しても以前の趣を残すよう努めます。
内装も殆ど建築当時のままで、建築当時の雰囲気を感じることができます。
和と洋がうまく交じり合っており、まだ和風住宅が主だった60年台当時としては
とても先進的なデザインだったのではでしょうか。
こちらは水廻りを中心に全体的な改修を行わせて頂きます。
さて、気になるのは普段なかなか目にしない床下の状態。畳を上げ床下に入ってみると・・・
蟻道(シロアリの通り道)もシロアリの被害も見当たらず、一安心。
構造材である基礎や土台がしっかりしているので、大掛かりな改修を必要とせずに済みそうです。
木材輸入が段階的に自由化され始め、価格等の理由から国産材が
敬遠され始めてきた時代の中でもしっかりと国産材を使用していたことが、
建築から半世紀ほど経った2016年現在でもご健在であるということに繋がっているのでしょうね。
築52年でこれだけ状態が良い状態の床下も珍しいと思います。
まだまだ現役でお住まいを支え続けてくれそうです!
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今回のご紹介は以上となります。
引き続きこちらのお住まいの改修工事の経過をご報告させて頂きますので、
ご興味のある方は是非ご覧下さいませ。
渡邉