一枚の写真から・・・

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私の住んでいる近くに、長屋門と古民家を移築した
「杉並区立郷土博物館」があります。

古民家は保存の為に土.日だけ囲炉裏に薪が焚べられ、
煙はゆっくりと部屋の中を燻しながら外へと流れていきます。

この古民家は敷地約4,000坪の嵯峨侯爵邸が建っていた場所に
移築したものだと、囲炉裏端で史料を手に説明してくれました。
そんな中、一枚の写真に目が留まりました!
改修工事が終わった大使館公邸を紹介するパンフレットに
載っていた写真と同じだったからです。

此処がラストエンペラーの実弟、
愛新覚羅溥傑(あいしんかくらふけつ)に嫁いだ嵯峨 浩さんの
ご実家だったと知り、杉並の住人として親しみが湧いてきました。
結婚式場である軍人会館(九段会館)までこの地から出立され、
沿道の人たちは今まで見たこともない自動車の長蛇の列に、
驚いていたと書いてありました。

興味が湧いてきて調べていくと、軍服姿のもありました。
撮影場所は大使館公邸の玄関前だと直ぐにわかりました。
重厚な建具に特徴のある飾り金具が印象的でしたからね!

竣工前、顔見知りになった使用人の方を扉の前でパチリ。
引き伸ばして渡したら手を合わせニコッとしてくれました。
極秘のお見合いをしたのは白を基調としたあの部屋!
もう少し前にこの事を知っていたならば、
あの場所で私も記念撮影しといたのに・・・残念!

愛新覚羅溥傑夫人になられた「流転の王妃」こと浩さんの人生と
大使館公邸の建物との経緯もわかりました。

14年前、新橋演舞場で観た市川猿之助演出スーパー歌舞伎
「西太后」清王朝紫禁城の宮殿を舞台に、藤間 紫演じる西太后、
その迫力ある言い回しや気品に満ちた立居振舞いに感動し涙した
舞台も、ラストエンペラーのこの時代!

そして以前、ビッグコミックオリジナルで「龍」RONという
漫画には、関東軍の甘粕大尉が満州国建設に一役買う話や、
主人公の恋人を映画に出演させることなどのストーリー、
毎週買って読んでいましたが、これもこの時代の話だったとは!

一枚の婚礼写真がきっかけで記憶が蘇ったり歴史が繋がったり、
興味が無かったこの時代のことを知ることが出来ました。

5月初旬に行った皇居東御苑では白雲木の花が満開でした。
「郷土博物館」から、浩さんゆかりの白雲木の種を頂きました。

三枝

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