残暑お見舞い申し上げます
いったいいつになったら、マスク無しの生活に戻れるのでしょう!
まだまだ酷暑が続く中、マスクしながら出かける人達。
日本人は本当に我慢強い!
先日近所の公園で、カナカナカナと鳴く声を耳にしました。
ひぐらしは秋の季語にもなっています。
5月、カラマツ林にシャワシャワシャワ(私にはそう聴こえる)と大合唱する春セミの声。
オ~シンツクツクのツクツクボーシやミンミンゼミの鳴き方も好きですが、
ひぐらしの切ない音色がたまらなく好きです。
今までで一番印象に残る美しい鳴き声を耳にしたのは3年前。
匝瑳市で古民家の大手術工事を終えた翌年の夏でした。
この地域では新盆を迎える喪家のところに、喪服を着てお香典を
持ってお悔やみに行くという風習が残っていて、喪家では祭壇を
飾り訪ねる弔問客をお迎えします。
お施主様の家では庭に面したサッシを取り外し、吹き抜けの広い
リビングに舞台セットのような立派な祭壇が設けられていました。
ちょっとしたおもてなしが出来る開放的な土間も使い勝手が良く、
此処で新盆ができて本当に良かったと仰っていました。
弔問を終え、行くなら夕暮れ時が一番いいよと薦めてくれた、
同じ匝瑳市にある飯高檀林跡に行ってみました。
檀林とは僧侶の学問所のことで、最盛期には600~800人の学僧が集まり、
総門.鐘楼.鼓楼.講堂は国指定重要文化財で、国内最古の大学と呼ばれています。
急な石段を上り総門をくぐり抜けたその先には、樹齢350年以上の
杉の巨木がうっそうと立ち並んでいました。
長い参道は荘厳なトチ葺きの講堂へと真っ直ぐに続いています。
し~んと静まりかえった境内。薄暗い参道を行くのは私達だけ。
凛とした空気の中、突如として森に響き渡る甲高いひぐらしの声!
場所が場所だけに、カナカナカナと鳴く声はとても気高く感じられ、
思わず歩みを止めて聴き惚れてしまいました。
姿は見えずとも、これも一期一会と思いたい!
三枝