敷地調査と柿の木

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先週設計と共に建築予定地の下見に伺いました。
敷地内には枝ぶりのいい白梅とご主人が幼少の頃父親と植えた大きな柿の木
そしてお客様から珍しい柿の木だと聞いていた高さ6mほどに伸びた
「豆柿」の老木がありました。
始めて目にする「豆柿」。老木の幹の肌は独特のひび割れができていました。

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柿渋は「豆柿」の未熟な実から採取され信濃地方や東北地方に多く
植えられていたといいます。
最近は柿渋を使用した布製品などが数多く見かけるようになりましたが
漆器の下地塗布や漁網の補強.木部の防腐剤としての需要などが少なくなって
殆んどの木が切られてしまったようです。

当日、100円玉ぐらいの小さな丸い実は熟していてキャラメル色の果肉は
トロッとした感じになっていました。
どんな味がするのかと舌先で恐る恐る舐めてみると一瞬甘渋く感じ
「これはいけるかな・・・」と思ったのが甘かった!いや渋〜かった!!!
あの渋みがたちまち口の中に広がりえらい目に会いました。

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柿渋を採取する実ですから甘いはずはないって事は考えれば当然の事ですが
熟していましたからね・・・
同行の設計からは「知らない実を口にするなんて勇気あるね〜」
後日「豆柿」について調べてみると橙色の実は更に熟すと黒紫色になり
霜が2.3回降りる頃には渋みが取れ萎んだ実は干し柿のような独特の味わいで
すご〜く甘く美味しいと書いてありました。
もうあまり「豆柿」なんて無いのでとても貴重な食べ物なんだそうで、
甘くなって鳥たちに食べつくされてしまう前に味わってみたいものです!

当地でのお客様のご希望は32坪ぐらいの平屋!
建てようとしている場所には父親と一緒に植えた大きな柿の木が・・・
澄んだ秋空に採り残した暖かな橙色の柿の実が映えていました。
お客様は計画案に支障が出るから伐採しなければ駄目かもねと仰っていましたが
思い出の大事な柿の木、切りたくはありません。

営業担当としてなんとか柿の木を活かし取り込んだ計画案を考えて欲しいと
設計に依頼致しました。
杉坂の家は緑があると更に映えます。
後から植栽するのと既存の樹木を活かすのとでは建物の雰囲気が全く違ってきます。
家族との思い出がある樹木を大手メーカーのように簡単に切るような事はしません。

今日ラフプランが出来てきました。もう少し練ってみたい・・・

(三枝)

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