茅を降ろす作業中、小屋裏で写真を撮っていると頭の上から
パラパラバラバラと茅やススが落ちてきますがちっとも嫌では
ありませんでした。
逆にウキウキとした気分で撮りまくっておりました。
ライトの光を頼りに何度も上がって調査した真っ暗な小屋裏に
立って見るとススで燻された黒い構造体は新緑の樹々との
コントラストが素敵でした。
そこへ森の樹々の中を通ってきた気持ちの良い風が吹き抜けて
いきます。
今までの生活ではこの風を感じられなかったそうですが、
今度の工事では陽の光がたっぷりと入り部屋の中を涼しい風が
通り抜けてゆく、もちろん冬は暖かい古民家にしていきます。
スス竹を外した屋根の構造
登り梁の先端を尖らせて窪みに乗せているだけ!
強風や地震を揺れながら分散させ吸収してしまう柔構造の極み
吊り束が下がらないように梁と梁を挟み込んだ職人の工夫に
小屋裏で始めて見た時から興味がありました。
約47坪の増築部分を解体し本来の大きさになりましたが
それでも52.5坪の広さがあります。
新しく屋根を造り軒も深くなりますので、
威風堂々とした古民家に生まれ変わると思います。
◆
スス竹がこんなに出ました。
絞り染めのように縄目が燻されずにクッキリと出ている竹も!
手袋でこするとゾクゾクする艶やかな色が現れました。
日本の伝統色「煤竹色」とは赤黒い色.暗い茶褐色.黄褐色とか
書いてありましたが汚れやキズも味のうち!
この中から選んだスス竹をいろいろなところに使用します。
来週、曳家工事がいよいよ始まります。