杉坂建築事務所の建具

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私共の住まいづくりでは、職人さん手づくりの内装建具を結構使います。

無垢材を用いたものから突板と呼ばれる化粧ベニヤを用いたものまで、様々なタイプを作ってもらいます。
どちらも最後には塗装職が現場塗装して仕上げますので、自然素材の内装とも調和良く、統一感ある雰囲気に仕上がるのが特徴。
最近は表面に木目調のシートを貼った、だいぶリアルな既製品も沢山出まわっています。
ですが、それでも手づくりの建具には既製品では出せない風合いがあります。

写真は現在進行中の古民家改修の現場です。
内装工事が進んでおり、建具職が建具の吊り込みを行っています。
こうした建具、実は作って持ってきて取り付けるという流れに付随して、何かと作業が絡みます。
先ずは採寸。
現場で大工が造った構造体や木枠というのは、どの箇所も全く狂い無く同じ寸法ではありません。
そこで製作にかかる前に一度現場に趣き、1箇所ずつ寸法を押さえ、その場所に合わせた建具を製作します。
そして、写真にもある様に吊り込み作業時の加工があります。
改めて枠の状態を確認しながら、鍵などの金具が互いに支障なく動作する様に現場加工します。
そうした作業を行う事できちんと動作できるようになります。

これは建具職人が持つ道具の一部。
大工と同様に木を加工しますのでノミを使いますが、独特の道具もあります。
右端の道具は毛引きと言うそうです。
私もたびたび目にしてましたが、名称まで知りませんでした。
ここには写っていませんが、建具職ならではのカッコイイ鉋(かんな)もあります。

今回、玄関用の建具に框の格子戸を作ってもらいました。
桧やヒバなんかも良いですが、きれいな柾目の表現や塗装の乗り具合などを考慮して、米松の無垢材も良く使います。
この建具は2本1組ですが、製作には3~4日かかるのだそうです。
マス目に組まれた組子は互いに欠き込みを彫り、外周の枠にも彫り込みを作って組み立てます。
個人でやってる職人さんですので、大きな工場で最新の機械を使っている訳ではありません。
その他の建具との同時進行と言う事もありますが、ほぼ手作業でこつこつ作りますので時間がかかってしまいます。
でもやっぱりそれだけの事はあります。

最終的にこの引違い戸と交換します。
がらっと味のある感じに変わるでしょう。


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