メールや電話でのお問い合わせ、また弊社営業担当者がさまざまなお客さまにお問い合わせいただくことの多いご質問にお答えします。家づくりのプランニングにお役立てください。
Q. 大手ハウスメーカーと杉坂は何が違いますか?
A. 大量の需要に対応する大手ハウスメーカーの家づくりには、均質性や大量生産によるコストダウンなどのメリットがあることでしょう。杉坂建築事務所では、そうした大手メーカーの家づくりとの差別化を図り、施主様にご満足いただける家づくりを実践することを心がけています。杉坂が誇れる家づくりへの取り組みとして、特徴的な違いを整理してご紹介しましょう。
1. 家づくりに対する考え方の違い
大手ハウスメーカーの住宅は基本的に大量供給を前提とした商品化住宅です。従って建物の立地や環境、住まい手のライフスタイルにかかわらず、全ての性能が基準化された、いわば最大公約数的平均点住宅とでもいえるものです。また、間取りや外観デザインのバリエーションも一定の規格範囲内で行われているようです。しかし、当社の家づくりは一棟一棟が注文建築。住まい手はもとより、敷地や周辺環境をも考慮して、一棟一棟、求める性能やその手法に最善を尽くした家づくりを行っています。もちろん、間取りや外観デザインも施主のご希望に応じて臨機応変に、最適で最善の家を実現するための努力をしています。
2. 建材の選び方の違い
大手ハウスメーカーの建物を構成する建築材料のほとんどは、自社あるいは他社の工場で作られる工業化部材が用いられています。そうした工業化部材の多くは無機材料であり、経年変化や狂いが少なく組立ても容易で熟練技術を必要としない、施工者にとっては大変扱い易い建材といえます。大量供給を前提とした場合、このような建材選定は当然といえば当然です。
しかし一方で、そうした建材の組み合わせで作られる住宅は個性や味に乏しく、親しみを感じづらいとも云えます。またシックハウス症候群などの原因ともなりました。
杉坂の家づくりの原点は、古来の日本建築の美学を継承すること。かつて日本の住宅は木や土・紙などの自然素材で作られ、季節の変化や時の流れの中で少しずつ表情を変えながら自然や街並みに溶け込むように存在したわけですから、生物としての人間には本能的に安らぎや親しみを感じることができたのでしょう。そして現在多くの人々が無機材料に囲まれた職場や住環境での生活の経験から、かつてのような自然素材による家づくりを希望するようになったのです。
しかしムクの木材をはじめとする自然有機材料は建材としては大変扱いのむずかしいものなのです。何しろ生物材料ですから、温度や湿度など環境の変化によって狂ったり割れたりという現象が生じます。従ってその性質を知りつくし、うまく折り合いをつける熟練技能が要求されるものです。また一方でそのような熟練技術者が居なくなった、あるいはその技能の対価が高額になるなどといわれます。
しかし、当社は創業以来四十数年、一貫して有機建材の扱いに精通した熟練技術者たちとパートナーとして、日本伝統工法の良さを追求してきました。職人技術は経験によって育まれます。技術を発揮できる仕事のある所に専門職人も存在し育つのです。そしてそれら専門技術は経験をつめばつむほど自然に合理化されていき、決して高い対価を支払わなければ発揮されることのない特殊技能ではなくなるのです。
これが大手ハウスメーカーの人的技術を極力排除した工業化による合理化とは正反対の当社が考える住宅生産の合理化なのです。そしてこの方法ならば一棟一棟違った家づくりになっても合理的なコストでの施工を可能にできるのです。
3. 施工体制の違い
大手ハウスメーカーは施工部隊としてたくさんの下請け(あるいは孫請け)工務店を傘下に置き一式発注により施工します。これらの工務店はハウスメーカー一社に限らず複数のメーカーの下請けもし、職人の技能にもばらつきがあります。メーカー側は初めての工務店や職人でも施工が可能なように、無難な建材による極力平易化された施工マニュアルを用意しております。
一方当社の場合は、扱う建材やその工法上、一定の経験を経た職人でないと施工できません。また工務店という職人集団の場合、各職種によって技能にバラつきがあるものです。例えばA工務店は、大工技能は良いが左官の技術に問題有りとか、B工務店は建具と塗装技能に問題有りとか・・・。
そこで当社では、各職種別に分離発注し、当社の現場監理者が各職種の仕事を直接監理いたします。なにより、当社にとっては、大工職人を初め各職人とも一定の経験を積んだ信頼できるパートナーなのです。
Q. 杉坂の設計料はいくらくらいですか?
A. 設計・施工を一括で受注し、監理するのが当社の特徴的な方法です。したがって、建築家に別途設計を依頼するよりも、合理的なコストでご満足いただける質の高い家づくりが実現できると自負しています。
具体的なプランニング&設計コストは、まず敷地調査・設計プラン・工事概算見積まで無料にて作業させていただいております。建築主は、ご納得いただける設計プランに至るまで何度でもご相談いただけます。設計料は設計プラン、工事概算見積共に建築主のご納得をいただいた上で、工事請負契約の締結を前提に設計図面作成料として工事見積額の5%とさせていただいております。
Q 設計施工を一括で依頼する杉坂の家づくりのメリットとデメリットは?
A. 設計施工一括受注について、メリットとデメリットを整理してご説明します。
■メリット
1. 設計・監理費が節約できます。建築家や設計事務所に設計・監理を依頼する場合、設計・監理費の巾はありますが、おおよそ工事費の8%〜12%(他に交通費などがプラスされる)といわれております。当社の場合はこれが5%になります。
2. 設計者(あるいは建築主)の意向を現場(建物)に反映させやすいといえます。設計者と長年パートナーを組んできた職人たちは、図面だけでは表現できない部分まで含めてその意図するものを経験的に理解しているからです。また、特に木造住宅の場合は木の特性を知りつくしている大工職人の知恵を設計に反映させることも大切です。設計者と職人たちのコミュニケーション(いい関係)は一朝一夕で構築できるものではありません。長年、一貫して設計施工一括受注の誇り高い家づくりを実践してきた杉坂だからこそ、実現できるメリットといえるでしょう。
3. 設計・施工からアフターメンテナンスまで一貫して責任を負うため、建築主が疑問を感じたり問題が発生した場合、責任対応窓口が一つなので、分業の場合に時々見られる責任の回避やなすり合いといったことがありません。また、将来増改築やリフォームの必要が生じた場合も、より確実な対応が可能となります。
4. どんなに設計段階での打合せを密に行っても、建築主が設計図面から完成建物を的確にイメージするのは大変むずかしいものです。規格住宅をそのまま再現するのであれば、モデルハウスをみれば良いわけですが、当社のような注文住宅の場合そうはいきません。
従って工事途中で使い勝手やデザイン等、イメージとのギャップがつきものです。工事途中での設計内容の変更はあまり良いことではありませんが、長く生活される場となるわけですから建築主にとって重要な問題となれば見過ごすわけにはいきません。設計者と施工者が別の場合、工事途中での設計内容の変更への対応は大変むずかしいものです。
施工者にとってそれは作業スケジュールの変更を余儀なくされるものであり、有形・無形のマイナスを生じるため、設計者も強く指示できないのです。それでも何とかしようとすると建築主に少なからぬ費用負担をお願いすることにもなります。設計・施工一括の場合、この点においてかなり柔軟な対応が可能となります。
■デメリット
デメリットとして考えられるのは以下の点に尽きると思います。
設計・施工一括依頼の場合、全てのことが建築主の意向よりも業者の都合を優先されることになりはしないかということです。これについては建築主が信頼できる業者かどうかを見きわめる目を持っていただくほかありません。業者の歴史や実績、その業者が建てた建物やそこに住まわれる方の評価等、種々の情報からご判断いただくことになります。もちろん、当社ではつねに建築主の満足(さまざまな条件を柔軟に考慮、対応しながら)を最優先する家づくりを実践していることを自負しています。