建築の近代化の中で、住宅メーカーは周辺環境の影響を受けづらいシェルター的な快適空間づくりに励んできました。しかしながら、不徹底な気密・断熱化、新建材の安易な使用が、「結露」によるカビ・ダニを原因としたシックハウス症候群や構造材の腐朽など、ひとの健康と家の寿命に関わる深刻な問題を引き起こしたのも事実です。
杉坂建築事務所は、日本伝統工法と先進建築技術の融合を進める建築家集団として、外断熱・真壁工法による「都市型環境共生住宅」という斬新なアプローチを創造しました。
たとえば、かつての古民家が結露と無縁だったのは環境に開け放たれた設計と天然の建築材料がもつ調湿力のため。
わたしたちはこの知恵と技を現代の都市空間に再構築して、一棟一棟に最適な「風の道」「光の道」をデザインする独自の「開放型高気密・高断熱設計」を実現しています。
健康、癒し、自然との調和、色褪せない価値……。
杉坂が提案する「環境共生」というひとつのこたえに、ぜひ触れていただきたいと思います。
(2004.11.28 朝日新聞)