急に寒くなってきました。
「代田富士見橋」から雪化粧の富士山を望める季節になってきました。
富士山は、見えたというだけで嬉しくなるのは、私だけではないと思います。
夕焼け空に映るシルエット富士に出会えた時は、心和みます。
横浜山手に建てさせて頂いたO様邸のことは、「第三種風致地区」と「祈る」の2回ブログに載せました。
「祈る」には、新型コロナウイルスの集団感染が起きて、停泊中の「ダイヤモンド.プリンセス号」が見えていたことなどを書きました。
敷地の端の傾斜地を有効利用して造った駐輪場を、広いウッドデッキに造り替えました。
ハクモクレンと枝垂れ桜の幹は床に穴を開け、高さを抑えた手摺りで、視界がより広がりました。
別件で頼んだ植木屋さんがこの造りを見て「これは大したもんだ」と感心していたという嬉しいメールを拝受しました。
駐輪場と薪置場にだけ屋根を架けました。
二人掛け用のブランコは、O様が置いたもの。
写真を撮り終えて揺らしていた視線の先には、枝葉で額縁のような空間の中に、すっぽりと収まっているベイブリッジが!
ブランコが此処に置かれた意図を感じました。
4年前に造り替えた眺望抜群の変形バルコニーも秀逸です。
この家を建てた大工さんに造ってもらいました。
飲み物や食べ物は、バルコニーに取付けた滑車で、下の階から運び上げます。(O様のアイデア)
ベイブリッジの下を横浜港を母港とする「飛鳥Ⅱ」や外国の豪華クルーズ客船・貨物船などの船舶が行き交います。
ずっと見ていても飽きないそうです。
しかし今夏、強い日射や雨を凌ぐ必要に駆られ、危険を承知の上、登山用のハーネスを自ら装着し、屋根を架けた写真が送られてきました。
空気が澄んで煌めきが増した冬も最高!
寒さなんてへっちゃらなんだとか。
倍率の高い双眼鏡は必需品です。
棟上げ式の当日は大安吉日でした。
風もなく穏やかに晴れた春の宵。
用意して下さった料理が並び、祝の宴がこれからという時に、明りがパッと切れてしまったのです。
予備はなく一瞬あせりましたがそれは杞憂でした。
当日は満月! 昇って間もないお月さまは大きく、その月明かりだけで充分でした。
横浜港の夜景をバックに、月明かりの下での宴は、清々しい杉の香りに包まれ、雰囲気も気分も上々。
私共にとっても、心に残る棟上げ式となりました。
まだ中締めの時に、祝い唄「山形大黒舞い」を、唄うことのなかった24年前のことです。
三枝