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Blog

杉坂建築事務所のブログです。

暮していた人の想いを残したい!

茅を降ろす作業中、小屋裏で写真を撮っていると頭の上から
パラパラバラバラと茅やススが落ちてきますがちっとも嫌では
ありませんでした。
逆にウキウキとした気分で撮りまくっておりました。


ライトの光を頼りに何度も上がって調査した真っ暗な小屋裏に
立って見るとススで燻された黒い構造体は新緑の樹々との
コントラストが素敵でした。


そこへ森の樹々の中を通ってきた気持ちの良い風が吹き抜けて
いきます。

今までの生活ではこの風を感じられなかったそうですが、
今度の工事では陽の光がたっぷりと入り部屋の中を涼しい風が
通り抜けてゆく、もちろん冬は暖かい古民家にしていきます。

スス竹を外した屋根の構造

登り梁の先端を尖らせて窪みに乗せているだけ!
強風や地震を揺れながら分散させ吸収してしまう柔構造の極み


吊り束が下がらないように梁と梁を挟み込んだ職人の工夫に
小屋裏で始めて見た時から興味がありました。


約47坪の増築部分を解体し本来の大きさになりましたが
それでも52.5坪の広さがあります。
新しく屋根を造り軒も深くなりますので、
威風堂々とした古民家に生まれ変わると思います。


竣工は来年の3月中旬を予定してます。

スス竹がこんなに出ました。
絞り染めのように縄目が燻されずにクッキリと出ている竹も!
手袋でこするとゾクゾクする艶やかな色が現れました。
日本の伝統色「煤竹色」とは赤黒い色.暗い茶褐色.黄褐色とか
書いてありましたが汚れやキズも味のうち!
この中から選んだスス竹をいろいろなところに使用します。

来週、曳家工事がいよいよ始まります。


三枝