山高神代桜
山高神代桜。やまたかじんだいざくら、と読みます。
花々は人間のことなどお構いなしに季節が来ると咲き始めます。
その中でも桜の花は私達日本人にとって特別な花のようです。
東北の被災地にも桜前線は何事も無かったかのように日々北上して行くのでしょう。
今年は日本人の誰もが、特別な感情を抱きながら桜を愛でると思うのです。
阪神大震災の時、ボランティアの方が「こういう時にこそ花が必要なのです!」
と言ったそうです。辛い避難生活に潤いがもたらされるとのことでした。
東日本大震災の被災地とそこで頑張っている人達をTVで見る度に、
再生した「山高神代桜」が私の中で重なってしまうのです。
ご存じ日本三大桜の一つで樹齢2000年!とも言われている日本一古い桜です。
ゴツゴツとした幹廻りを見るにつけ2000年もの間、
一年も欠かさずに花を咲かせてきた古木に思わず手を合わせる人が多いのも頷けます。
しかし長い歳月の風雪の被害により幹や枝が次々と失われ、
このままだと枯れ死すると言われていたそうですが、
この桜を愛する武川村の人達や樹木医さん、大勢の熱意のある方々の
樹勢回復プロジェクトのお陰で見事に再生したのです。
2008年の満開の桜の下、地元の放送局の人が樹木医さんに
インタビューしているところに出会いました。
樹木医さんが指差す先には50㎝ほどに伸びた
一本の新しい枝に花が咲いておりました。
「花を付けているでしょう!」と嬉しそうに見上げる横顔に
思わずカメラを向けてしまいました。
15年前に行ったときは空洞になった幹の内部に、
雨が浸み込んで腐るのを防ぐ為に四角い金属製の屋根があり、
それを鉄柱が支えていて何とも痛々しく感じたものです。
それらが取り払われ、今は何本もの丸太の支柱に取り替えられていました。
訪問者の感想の中に、
「地にしっかりと根付いた太い柱は足元の支え」
「桜の支柱は周囲の支え」
「一人で生きている訳ではなく、いろんな支えがあって生かされている」
と書いてありました。因みにこの桜は実相寺の境内に有ります。
被災地には日本中、いや世界中に支援の輪が広がっています。
被災地の復活そして日本の復活の象徴として
「山高神代桜」のことを書いてみました。
是非行ってみて下さい!
感動と感激でいつまで見ていても見飽きませんし、
何よりも生きるというパワーをもらえますから!
(三枝)