井戸を埋めるお祓い
東日本大震災から二年経った現在、夜の街明かりは既に震災前と同じ、
すっかり節電の事を忘れたかのようです。
昼間の電車内の明るさもあの節電の時の方が私は落ち着きます。
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御前崎の家には井戸があります。
残念な事に水は少し上がってくるものの既に使えない状態となっていました。
そこで井戸を塞ぐ為のお祓いをして頂く事にしました。
造園業に携わっている若い職人さん達は
「井戸を塞ぐ為のお祓い」を経験したことない人が殆どだそうです。
造園会社の専務の「これも勉強だから立ち会わせてもらいなさい」
の言葉に神妙な面持ちで参列しておりました。
お祓いが済みお施主様もスッキリなさったご様子でした。
後は綺麗な砂を入れて埋め「息抜き」の管を出しておく事をお頼み致しました。
◇
造園工事の始まりは樹木の移植です。
造園業者さんからは見栄えのする樹々は無い・・・と言われましたが
お爺さんやお父上が植えた思い入れの有るものばかり!
手間と費用はかかりますが紫陽花からツツジ・椿・松・槙など
殆どの木に「根巻き」をし思い入れの樹々で新たな庭づくりに入りました。
そこに御影石の塊を加工した水鉢「石船」を景色として配置します。
縁があって此処に来ました。
重量は1.5t有ります。
30年前には「棒屋」と言う職業があり
コロの丸太は「赤樫の木」で出来ていて、当時一本1万円したと専務は言ってました。
平地ならば2人で押して運べるとも!
更に丸太の並べ方で90度曲げる事も可能なのだそうです。
職人技ですね凄い!
それから設置するにも「入舟出舟」と言って
向きに決まりがあることも教えて下さいました。
七五三縄も細い方が左になっているのと同じだと言うことです。
ここに「かけひ」からチョロチョロと水音が・・・
休憩時間の職人さん達との会話、勉強になります。
間伐材を多用した木の塀や鋳物の門扉、完成まで後一ヶ月です!
(三枝)