それは、誤解
まず、写真をご覧ください。
高い天井、広大な空間、石張りの土間床。
もしかしたら「冬は寒そう」とか「冷暖房費がたいへんじゃないの?」
といった印象をもたれたかもしれません。
しかし、杉坂の家では、それは誤解というもの。
じつは写真の家は「蓄熱土間」の住まい。
地盤の温度と補助ヒーターによる土間の優しい熱が、
自然の対流により開放的な屋内全体を包むように暖めています。
しかも、この土間の他には暖房がほとんど必要ない、という省エネぶりです。
家を部分的に暖房する一般的な設計では、
温度差による「結露」がカビやダニ、木材腐朽菌などを繁殖させる恐れがあります。
大切なのは、家の中で温度差をつくらないこと。
いわば家の基礎体温を安定させることなのです。
四季のなる日本だからこそ、
屋内の温熱環境設計は家づくりの最も大切な要素のひとつ。
今回実施する「真冬」の住宅見学会で、
杉坂の家の、印象と実際の大きな違いを、ぜひご体感ください。
(2005.01.19 朝日新聞/2005.01.19 読売新聞 夕刊)