今年もまた、暑い夏がやってきます。
日本の家作りでは、この「暑さ対策」とても大きな課題。
杉坂建築事務所は、夏の難問をちょっとユニークな手法で解決しています。
それが杉坂の「暑さ対策三点セット」。
まず一つは「土間」の採用です。
1年を通して温度が安定している地盤とコンクリートの床を
連続一体とすることで、室温の上昇を抑えます。
二つめは「屋根緑化」。強烈な日差しにさらされる屋根に土と緑を敷き、
見た目にも心地よい自然の断熱材とします。
そして三つめは、窓からの直射日光を遮る「開口部の緑」。
室内に入り込む太陽光を木漏れ日に変えて、不必要な熱をカットします。
窓辺の緑は落葉植物にすることで、太陽が欲しい冬の間も心配はありません。
この「三点セット」は、いわば家を土と緑で包み込む発想。
なにかに例えるなら、夏でもひんやりとした洞窟のイメージです。
土間、屋根緑化、開口部の緑。
そのどれもが欠けることなくスクラムを組んで相乗効果を発揮するからこそ、
自然で爽やかに暮らせる「人間の住まい」が完成すると杉坂は考えます。
日本の夏に対する私たちの答えを、今度の住宅見学会でご覧ください。
(2005.06.27 読売新聞 夕刊/2005.06.29 朝日新聞 夕刊)