多摩川の源流域には東京の貴重な水源を守る為、今から100年も前に保全林整備がされました。こんな山奥にせっかく整備された森林も、林業の健全発展が望めなければ放置され荒れ果ててしまう。
持続可能な森林保全は全国的な課題ですが、その解決には木材の消費者サイドの意識改革こそが必要なのです。すなわち木という神秘の素材、その素材に秘められた歴史的価値や物語を評価する視点を持つこと。そうでなければ木はただの木材という材料にしか見えません。それでは余りにも勿体ない。木に対して申し訳ない。
今回多摩川源流の小菅村にある多摩川源流研究所所長の中村文明さんとの出会いがありました。一晩ゆっくり感動のお話を伺った。だから余計に小菅の木に対する思い入れが深まりました。
今まで水源を守り続け、そろそろその森林保全のサイクルの中で命を終えるべく次の役割を望んでいる木々。彼らの第2の生命の舞台を用意してあげたい。
そんなプロジェクトがひそかに進行しています。
(設計部 O)
多摩川源流の村ー小菅村森林視察と意見交換会のスナップ写真より(2/8〜9)