杉坂の創る「環境共生住宅」には、リビングやダイニングを含め一階部分の約半分が「土間」で構成されるものがあります。ちょっと不思議に思われるかもしれませんが、これは私たちが快適な屋内温熱環境を設計する上で不可欠な「蓄熱土間」という考え方によるもの。
一年を通じて安定している地盤の温度と大きな熱容量(熱しにくく、冷めにくい)を、コンクリートと地盤を連続一体とすることで最大限に活用しています。周辺空間が冷えると熱をはきだし、暑くなると熱を吸収する広大な「蓄熱土間」は、空気の循環を促し家全体の温度を整える、まさに究極のエアコンディショナーです。
杉坂建築事務所がデザインするのは、人が永く健康に住まうという「願い」そのもの。
この秋の住宅見学会では、土間はもちろん「環境共生住宅」に託した私たちの理想に、
ぜひ触れていただきたいと思います。
(2003年11月掲載)