町田市藥師ヶ池公園に近接した築23年のお宅に、先日お伺いいたしました。
玄関引き戸は昔の蔵戸を模したケヤキ造り、その重厚な建具には更に大黒様の
レリーフが取り付けられています。
中に入ると右側に下足入れとして使っている大きな水屋箪笥が置かれています。
その上にタカッポと呼ばれている器に、純白の紫陽花が一輪生けてありました。
漆掻き職人手作りの道具タカッポは、漆の樹液を掻き取ったものを溜める筒状
の器で「掻き樽」とも呼ばれ、ホウの木の樹皮などで作られているのだそうです。
使い込んであるタカッポは漆で赤黒く変色し、何とも魅力的な風合いをかもし出
しています。そこに純白の紫陽花が一輪!!思わず唸ってしまうほどに美しく、
玄関が一段と映えて見えました。
昨年の秋にお伺いした時には、そこに何種類もの色鮮やかな落ち葉が散らしてあり、
民芸家具の色にとても良く調和し、落ち葉がより美しく輝いていました。
ダイニングテーブルは解体した古い梁をつなぎ合わせて作ってもらった物で、
これも奥様のアイディアです。窓の外には枝を大きく広げた桜やホウの葉が繁り、
涼しい風を運んでいます。春、桜満開の時の、ここから見える景色を想像してみて下さい!
手が届くほどのところに咲いている桜、まるで桜の木の中に居るような錯覚に
陥るのでは...と思ってしまいます。
各々の窓から見える景色は春夏秋冬それぞれに素晴らしく、来られた人達は皆
感嘆の声を上げるのだそうです。私もその中の一人です!
今回はタカッポに純白の紫陽花が一輪。これに感嘆!!
(三枝)