ふとしたきっかけで胸を強く打たれるってことありますよね!
先日、ハウスクエア情報館内のカフェで二胡を聴く 機会がありました。
ショウルームを閉めて帰宅する予定だったのですが
CDやTVでしか聴いたことが無かったので聴きに行ってみました。
中国の女性演奏者はかなり有名な方なのですが、観客は12人ぐらい!
贅沢!贅沢!
帰宅後、代表曲「女人花」をYouTubeで繰り返し聴いてしまいました。
二胡の音は人間の声帯に似ているとかで、
聴いていて思わず泣いてしまう人もいるそうです。
実際、CDを聴いて泣き出した人が身近におります。
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更に伝統の楽器に触れ合う機会が続きます。
2日の地鎮祭の神主さんは玉串を奉奠(ほうてん)している間中、
笛を吹いていて下さるのです。
雅楽の指導者でもあるこの神主さんは25年前からこのスタイルを続けてます。
黄金色に実った稲穂が三方にお供え物としてありました。
神主さん曰く「これが本当の初穂料です!」
お施主様にとっては尚一層印象に残る地鎮祭になったと思います。
◇
そして先週、鎌倉の妙本寺の本堂で篠笛と琵琶を聴きに行って来ました。
この「鎌倉に聴く」の会を知ったのは「ふとしたきっかけ」でした。
花の寺として知られる海蔵寺を夏に訪れた時、ご住職が私達を手招きし、
一般の観光客は入れない中庭へと案内して下さったのです。
他にも観光客はいたのですが・・・
少し高くなったところから見る本堂と茅葺きの客殿の美しさ!
それと良く手入れをされている池を配した中庭に暫し見とれていました。
その海蔵寺の本堂で篠笛を聴く会を秋に催すと言うのです。
ご住職のお誘いに興味がわき申し込みました。
当日まで篠笛を吹かれる方がどの様な方なのかも調べもせずに・・・
最前列の更に真ん前に座りました。その距離約一間半!
そのお方は篠笛の名手
六代目 福原百之助こと人間国宝「宝山左衛門」氏だったのです。
後で知りました。
七十歳くらいの色白で品のある優しいお顔をしておられました。
目の前で篠笛を吹く宝山左衛門さんが篠笛を手にとってから
唇に歌口の孔を当てるまでの一連の動作、息を吹き込む息づかい!
左右の指の跳ね上げ方?
吹き終わって歌口を離し笛を脇に置くまでの姿.形がとても”美しい”
細く息を吹き込んで美しい音、又、澄んだ音をだす宝山左衛門さん
の篠笛に魅了されてしまいました。
会がお開きになり余韻に浸りながら山門をくぐると扇ガ谷の闇に
満月が煌々と輝いていました。約20年前のことです。
宝山左衛門さんの篠笛はこの一回きりでしたが、それからは春と秋、
建長寺や宝戒寺.光明寺.遊行寺などへ篠笛.琵琶.鼓を聴きに行っています。
演奏中に入る擬音も又良いものです。
篠笛や琵琶を静かに聴き入っている時に池の魚がパシャッと跳ねたり、
カエルの声、コオロギやウグイスの声、そして梵鐘の音など、
そう言う擬音が演奏中に聞こえてくるのも楽しみとなっています。
三枝