住むならば木造の家にという人は年配者に限らず多くいます。しかし彼らの言う木造の家とはそもそもどんな建築を指しているのでしょうか。
一般に木造建築とは骨組みが木造である建築をいいます。骨組みが木であれば室内側に全く木の部分が現れていなくても木造建築というのです。反対に内装や外装にどんなに木が使われていても、構造が木でなければ木造建築とは言いません。そして現代の家は木造住宅といっても骨組みは隠れていて見えないような家がほとんどなのです。
しかし、人々が木の家がいいと云う場合、それはおそらく内装に木が現れている家を求めているはず。それなのにみえない構造だけ木にして内装には木はほとんど現れていない木造住宅の現状。
現代の日本の木造住宅は全く不思議な木造です。
骨組みは木造だが内装には木が現れていない家と構造は木でないが内装に木が使われている家。あなたはどちらが木の家と呼ぶにふさわしいと思いますか?
(設計部 O)